仕事の現場においてよく使われる言葉に、
「○○を意識する」
というものがあります。
「常に効率化を意識した作業を徹底しよう」
「『カスタマーサクセス』を意識した顧客対応を」
「より安全を意識した管理体制を」
といったように、
ある種の「スローガン」として、便利に使われています。
しかし、現場で働く従業員に本当に
「効率化」
「カスタマーサクセス」
「安全」「無事故」
などを徹底させようとするのであれば、
この「意識する」という言葉は、
なるべく使わないようにするべきです。
なぜか?
以前からこのメルマガをお読みいただいている方は、
もうおわかりかと思います。
そう、「意識する」ことは、「行動」ではないからです。
従業員に対して
具体的な行動のレパートリーを与え、観察、計測することが、
マネジャーの重要な仕事です。
「効率化を意識する」では、
従業員は何をやっていいかわかりません。
「そのくらいは、従業員が自分の頭で考えるべきだ」
と主張するマネジャーもいるかもしれません。
しかし、人が考えることは、各人によってまちまちです。
相手が「これが効率化だ」と考えたことも、
マネジャーにとっては「それは違う」ということも
あって当然です。
また、そもそも「○○を意識」しているかどうかは、
観察、計測できるものではありません。
「自分としては意識していました」
相手からこう言われてしまっては、
もう話はそこで終わり、です。
誰もが同じ望ましい行動をして、
望ましい結果を出す…。
こうした仕事の「標準化」を目指すのであれば、
「意識する」という曖昧な言葉は
なるべく使わないほうがいいでしょう。