今月は異常な暑さが続き、熱中症で倒れる人が続出、メディアでも「命の危機に関わる暑さ」という言葉が頻発されています。
この酷暑の中、愛知県豊田市で、小学校1年生の男児が校外学習後に熱中症が原因で亡くなる、という悲しい出来事も起こりました。
校外学習中から疲れを訴えていた男児が学校へ戻り、体調がさらに悪化し、意識を失い、救急車で病院へ向かったのはその20分後だったといいます。
毎日新聞の報道によれば、市の教育委から学校に配布された救急のマニュアルには、
どんな症状なら急いで119番すべきかなどの具体的な指示はなく、「適切な処理を行なう」という記載があるだけだったといいます。
「適切な処理を行なう」
という文言の「具体性のなさ」は、このメルマガを以前からお読みの皆様には
よくおわかりのことかと思います。
「どんな基準のもとに、どんな行動を取るか」
これが示せていないマニュアルは、無価値でしかありません。
「適切な処理」とは、具体的にどのような行動を指すのか?
たとえば10人の人がいれば、10通りの「適切な処理」がある…。
これでは、マニュアルの意味はないのです。
命を預かる現場では、アドリブ、自己判断は許されません。
危機管理における「具体性」の重要さを、私たちはいま一度見直すべきでしょう。
それは、尊い命にも関わることなのですから。