「行動科学マネジメントは、行動の積み重ねこそを重視するマネジメント」
「精神論ではなく、あくまでも行動にフォーカス」
行動科学マネジメントについてそう説明すると、ちょっとした勘違いをするマネジャーもいます。
「そうですよね、やはり行動することが大事なんですよ!」
「アタマで考えているのは時間の無駄! とにかく行動あるのみです!」
とばかりに、「やみくもに行動すること」を部下に強いるのです。
・1日に20枚以上の名刺を集めてくること
・とにかく電話! 200本以上の営業電話を掛けること
・100件以上の見込客にはがきを出すべきだ
そんなふうに、「数打てば、当たる」の仕事術を
部下に押しつけるわけです。
「自分はそれでうまくいったから」
という経験則もあるのでしょう。
行動量の多さが成果に結びつくのだと、
かたくなに信じているのです。
「自分はそれでうまくいった」…しかしそれは、たとえば見込客が数多く存在した時代の成果であり、人口減少でマーケットが小さくなった今、同じような手法が通用するはずはありません。
「数打てば、当たる」は、前時代的な考え方といえるでしょう。
何より、成果に結びつかない行動をいくら増やしても、それは時間と労力の無駄遣いでしかありません。
成果に結びつく行動とは何か?
その行動を増やすことによって、どのくらいの確率で成果に結びつくのか…。
本来、行動に着目したマネジメントには、こうした検証が必要不可欠なのです。
「行動あるのみ!」
それは「生産性の向上」とは真逆のベクトルであると知るべきです。