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行動科学マネジメントとは

>>行動科学マネジメントとは
>>行動に焦点を当て分析
>>実験再現性を有するメソッド
>>ビジネス上の数多くの難問を解決
>>導入企業は1000社以上
>>行動科学マネジメントの効果
>>一般的マネジメントとの違い
>>2:8の法則
>>下位8割のパフォーマンスをいかに上げるか
>>どの行動が評価されたか明確化
>>望ましい行動へのリインフォース


行動科学マネジメントとは

行動科学マネジメントは、行動分析(behavior analysis)から生まれました。行動分析学とは、人間の行動を科学的に研究する学問です。今から約50年前、アメリカの心理学者・スキナー(B.F.Skinner, 1904-1990) が急進行動分析学という学問を興しました。この学問は徹底的行動主義(radical behaviorism)の一派と位置づけられており、抽象的な概念や計測できない要素を一切排除しようとする考え方です。今では行動主義派と総称され、「行動科学」と呼ばれています。


行動分析学にはいくつかの特徴があります。

第1に、行動自体を研究する学問であり、行動から心や脳を研究する学問とは全く異なる
第2に、行動の原因を過去と現在に求める
第3に、分析に用いる原理は出来るだけ少なくシンプルにする
第4に、自己申告よりも外部からの観察を重視する

行動分析学に、応用行動分析という分野があります。研究室における実験・調査で得られた行動の原理を日常の問題に応用とする実学で、それをビジネスに応用したものが行動科学マネジメントです。実験結果から導き出された科学理論の上に成り立つメソッドであり、他のマネジメントのように、1人の優れたリーダーが経験と勘に基づいて作り上げたものとは本質的に異なっています。

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行動に焦点を当て分析

行動分析学は心理学の一種ですが、行動を基準にして物事を見るという、他の心理学にはない特質をもちます。

「我々はなぜ今あるような方法で行動するのか」
「どのようにして、習慣を身に付けるのか」
「どのようにして習慣を失うのか」

これらが行動分析学のテーマと言えます。すなわち「今現在の行動をしているのはなぜか、それを変化させるにはどうすればいいか」ということです。

行動分析学が焦点を合わせるのは行動のみ。第三者が観察可能なものだけが行動ではありません。スキナーの定義によると、意識や認知も1つの行動です。目に見える行動だけが行動ではないということです。行動科学マネジメントもこの考え方をベースにしています。

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実験再現性を有するメソッド

科学の一分野を標榜するからには実験再現性がなければなりません。数学や物理の式のように「いつ、誰が、どこでやっても」同じ結果を得ることができてこそ科学です。行動分析学者は、人間の行動を理解するために、物理化学者と同じ科学メソッドを用いています。そのひとつが「実験再現性」という尺度で、同じ条件下では同じ結果が得られるという要件を満たしながら行動を定義づけるのです。

この分野での基本的な調査は、すでに100年以上の歴史を持っています。しかし応用研究が本格的にスタートしたのは1950年代であり、ビジネスや政府における応用が始まったのはさらに遅れて1960年代後半と、その歴史は決して深くありません。

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ビジネス上の数多くの難問を解決

このように行動分析学は比較的若い学問分野ですが、きわめて短期間のうちに数多くの原理が解明されました。過去40年間で発見された原理は、ビジネス上の何千という問題を解決に導き、その大部分は長く難問とされてきたもので、中には絶対に解決できないと考えられていたものさえありました。

例えば、あるテレビ用付属機器工場では、1年以上も悩まされ続けた品質の問題をわ ずか1日で解決した事例もあります。また、メソッド導入から90日で離職率を半分 に下げてしまったという報告も珍しくありません。

行動科学マネジメントは実験再現性を重視する科学的分析手段をベースとしているため、業種や規模を問わず、驚くほどの効果をもたらします。現在ではビジネスばかりか、教育・医療機関などの各分野でも効果が実証されています。

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導入企業は1000社以上

日本でも多くの企業に知られるようになりましたが、すでに導入企業は日米で官民合わせて1,000社以上にのぼります。例えば米国において、日本でも知られている企業の一部をいくつか挙げると、次のような企業があります。

航空産業:ボーイング、アメリカ航空宇宙局(NASA)
製造業:3M、クライスラー、フォード
小売業:ウォルマート、バーガーキング、ターゲット
通信産業:コムキャスト、クエスト
金融業:シティバンク、キャピタル・ワン、ファースト・ユニオン
官公庁:国立公園部局、ニューヨーク州運輸局


多くの日本企業も導入しはじめていますが、特にアメリカに進出しているメーカー、自動車メーカー系のほとんどが、十数年以上前から行動科学マネジメントを導入しています。

行動科学マネジメントを取り入れたアメリカ企業のうち、いくつかは、「マルコムボルドリッジ賞」に輝いています。これは日本の経営品質賞に相当するもので、アメリカ大統領が直接授与する名誉ある賞として知られています。

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行動科学マネジメントの効果

行動科学マネジメント導入企業には、次のような効果・成果が実証されています。



 1:短期間でリーダー養成を実現することができる。
 2:他の戦略メソッドや戦術を活用していても、融合して活用することができる。
 3:売上を伸ばすマネジメントの仕組み構築ができる。
 4:トップ社員のパフォーマンスを維持、継続ができる。
 5:アベレージ(平均)社員をトップクラス社員に伸ばすことができる。
 6:アベレージ以下の社員をアベレージ以上に伸ばすことができる。
 7:セルフマネジメントに応用できる。(時間管理、行動管理、ダイエット、英語の学習、禁煙など)
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一般的マネジメントとの違い

現在、コンピテンシー(業績が高い人の行動特性)やプロセスマネジメントといった手法も登場していますが、いずれも行動科学マネジメントのように、「誰が行っても実験再現性があり、しかも大企業からセルフマネジメントといった業種、業態、規模の大小に関係なく効果を発揮する」といった特徴を持ち合わせていません。それは「行動に焦点を当てているかどうか」という大きな違いがあります。

日本にあるマネジメントの多くが、実は「結果」にしか焦点を当てていないのです。売上目標を達成したこと自体は評価しても、その過程でどういう行動をとったかは評価項目に入っていないのが一般的です。しかも、思わしい結果を出せない人をバッサリ切り捨ててしまう企業も少なくありません。

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2:8の法則

このような環境下では、いわゆる「2割8割の法則」が作用します。すなわち、上位2割の人だけが成績を上げ、残り8割の人はパフォーマンスレベルを下げてしまうのです。これこそが現代日本における問題点といえます。

以前、日本企業に導入された成果主義も決して悪くありませんが、職場の人間関係を築いた上で導入しないと弊害となります。同時に、結果だけでなく行動をも評価することが絶対条件です。結果的に全体の8割が行動反応率を低下させる、いわゆる「やる気を失うようなマネジメント」をこぞって実践してしまったのです。

成果主義を誤解し、きわめて表面的に取り入れてしまった企業は、今もなお呪縛となり、8割の社員から「行動することそのもの」を奪っている場合があるのです。

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下位8割のパフォーマンスをいかに上げるか

行動科学マネジメントは、下位8割のパフォーマンスレベルをいかに上げていくかを1つのテーマとしています。「ピンポイント」「メジャーメント」「フィードバック」「リインフォース」などのような仕組みを使い、行動と結果の両方に焦点を当てているのです。

結果だけを評価すると、下位8割が自発的行動につながりにくく、行動だけを評価すると思わしい結果が得られません。両者を評価するシステムを整えたとき、初めて全社員のパフォーマンスレベルが向上するのです。上位2割がどんなに働いても、下位8割がお荷物になっていては会社の業績はなかなか上がりません。信頼関係を築き、全社員のパフォーマンスレベルを上げることが行動科学マネジメントの最大の特長です。

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どの行動が評価されたか明確化

従来のマネジメントでは、社員に対する評価は年1回、多くて4回しかありませんでした。すなわちボーナス・昇給・昇格の査定がそれに当たりますが、行動科学マネジメントの観点から言うと、これでは業績が上がらないのも当然なのです。

評価されるチャンスが年にわずか数回しかないのでは、成果を上げてから報奨を手にするまでに何ヶ月もかかります。時間が経ってからまとまった金額をもらっても、本人はどの行動を認められたか分かりません。そのため、望む行動を繰り返そうとはしないのです。

お金や、昇進によって報いるのであれば、行動の直後に行うことが必要です。「これだけの成果を上げたからボーナスをあげよう、肩書きをあげよう」というふうに、因果関係を明確にするのです。上司がこの原則を理解しないかぎり、社員に望ましい行動を続けさせることは困難です。

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望ましい行動へのリインフォース

「表彰制度」「褒める」「認める」といった言葉をしばしば耳にするようになりました。行動科学マネジメントで言うところの「リインフォース(強化)」にあたりますが、結果を残した人にしか適用されていないのは残念なことです。業績を上げなかった人が視野の外に置かれているからです。確かに業績を上げたときのリインフォースは重要だが、それ以外の人に何もしないのは問題です。

行動科学マネジメントでは、望ましい「行動」をした人に対して必ず「リインフォース」します。もちろん業績についても評価しますが、それとは別に「まず行動したかどうか」を見るのです。こうすることで、パフォーマンスの悪い社員に対してもリインフォースが可能となります。

行動したことを認められた社員は、再び認めてもらおうとして同じ行動を繰り返すよ うになります。そしてやがて業績も上向いてくるのです。結果だけを見て評価するのは日本型マネジメントの特徴と言えますが、それは限られた人の行動反応率を向上させるだけの効果しかありません。「行動」に焦点を当ててこそ、全社員に行動させることができるのです。

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